【実録】ドーミーいんこは見た! 〜開業前のドーミーイン福井(中編)〜
開業直前のドーミーイン福井に行ったドーミーいんこ。初めて目にする開業準備の数々に、驚きを隠せなかった。さらに、開業ギリギリまで続けられるスタッフのトレーニングを見て、またも絶句するのであった。
「客室の清掃とベッドメイクは毎日トレーニングしています」「どんな?」
「キレイにすることはもちろんですが、ドーミーインのやり方、こだわりを覚えてもらうことから始めました。例えば、ドライヤーのコードの巻き方。シャンプー、コンディショナー、ソープの並び順。アメニティセットが1セットの場合と2セット、3セットの場合の置き方。などなど。まずは正確に。スピードアップはそれから」
「ほほう」
「正確にできるようになったら、トラップを仕掛けます」「ん? トラップ?」
「ベッドの下にスリッパを隠したり。ハンガーの向きを1つだけ逆にしたり」
「・・・」
「歯ブラシを、もともと入っていたビニールに戻しておいたり」「な、な、なんと」
「これ、過去にドーミーインで実際にあったことなんです。清掃スタッフが見つけたのでクレームになりませんでしたが、事例として共有しています」
「・・・」
ドーミーいんこの目は点になったまま。口はぽかんと空いたまま? あ、口は見えていないか。
あまりの衝撃に足元もおぼつかなくなったドーミーいんこ。ふらふらと辿り着いたのはフロント。ここでもトレーニングが行われていた。
スタッフが交代でお客様役になり、チェックイン。
「もう1泊できますか?」
「部屋はどの方角を向いていますか?」
「2泊のうち、1泊は現金、もう1泊はカードで払いたい」
「後から来る同僚の分も合わせて領収証がほしい」
「郷土料理のおいしいお店を教えて」
お客様役の言葉に笑顔で対応するフロントスタッフ。
「館内のどこに何があるか、お客様にどうお伝えすればわかりやすいか。1つ1つ考えて、覚えることから始めました。もう開業目前ですから、どんな質問や要望にもお応えできないといけませんよね」
フロント副支配人の言葉は、ドーミーいんこにとって追い討ちとなった。絶句。
すでに営業中のホテルで働くなら、先輩から教わったり、やっていることを見て、覚えていけば良い。マニュアルだってあるだろう。しかし、開業の準備をすることは、ホテルを1から作ること。試行錯誤を繰り返しながら、自分たちでやり方を考え、自分たちでそこに合ったマニュアルを作り、自分たちで微調整していかなくちゃいけないんだなぁ。 そんなことを思ったドーミーいんこであった。
つづく。
●ドーミーイン福井についてはこちら https://dormy-hotels.com/dormyinn/hotels/fukui/?login=